自宅のリースバックは最後の手段

リースバックやってます。leasebacker@gmail.com

住宅ローン 完済79歳までOK!とか。フラットは80歳の誕生日まで。

家賃を払って暮すか、住宅ローンを利用して家を買って暮すか。

 

よくマイホーム話や生活設計コラムなどにはテーマとして取り上げられますね。

損得勘定を呼び起こす煽りであり、はたまた注意喚起でもある。

 

最近は社宅で支出を抑えるというものは無くなってしまったね。企業が固定資産を所有する意味が消えかけているからでもあります。

一時はどんどん社宅が壊されて、新築マンションに変わって行きました。今もその流れはあります。

郵便局が民営化されて、解体されてマンションや複合ビルに変化しているのもその流れの中にあります。

給料は頭打ちながら、企業は内部留保をかかえるばかり。

今でも田舎の公務員なんかは、金を使うところも無いし、住宅費といえば、2万円の社宅で金が余ってしょうがないという話もありますが。

 

社宅と言えば、昔は家に帰宅しても、会社のヒエラルキーが社宅にはあるから、本当に社宅は嫌なものだとネタとして語られた。

あそこに部長の奥様がいらっしゃるから、挨拶しなきゃ、みたいな。

特に過去の日本企業は下々まで軍隊組織なので、そうなるのも仕方がない。

だから妻の脳裏にも、夫の会社ヒエラルキーが存在してね。

社宅を出た時は、妻こそ爽快感で一杯な時代だったかもね、昭和は。

そんな時代の住宅金融公庫の住宅ローン金利が8%の時代もあった訳で、それだけ日本が高成長していた証拠でもあるのだけど。

不動産を買えば、無条件で値上がりした時代です。

3DKのマンションを買い、値上がりしている隙に、

次はそれを売って、庭付き一戸建て。

零細不動産業者の安普請な建売でも、財閥、電鉄が開発した巨大分譲地でも。

そこには25年という長期間の住宅ローン支払い年月というのは、あまり気にしなくてもよい程の、成長期の中にいた日本です。

25年の間には、住宅ローン以外にも、

外壁塗装や屋根の修繕、庭木の剪定。水周りの修理に、風呂釜の交換、給湯器の交換。

場合によってはシロアリ駆除、ジャッキアップで柱の交換。

サッシの交換もあるかも。20年もたてば、陳腐化していきますし、サッシ一つでも性能が格段にあがっているので、交換意欲も湧いてきます。寒いの嫌だしね。

家って所有するのに金かかります。

 

いつしか、住宅ローンが35年になっていました。

今は最初に借りることができる年齢が65歳、69歳なんてのもあります。

69歳から住宅ローンがスタートできる時代なんです。完済は80歳まで。

すごい時代です。

 

もとも35年ローンが出てきたのは、返済期間を引き延ばすことで、

毎月の住宅ローン支払いを減らし、表向きは持ち家を促進すること、

裏では銀行の安定利益(融資残高の増大化・利益の確保)と

プラザ合意後の平成バブル崩壊での建築業者の受注落ち込み防止、

があったと思います。

 

昭和が終わり平成に入り低成長時代に突入したので、悪い政策では無かったと思います。

 

しかし、25歳で家を買っても払い終わるのが約定通りであれば、60歳です。

金利は2.5%前後の時代でした。

2500万円を借り入れると 毎月返済は9万円弱 です。

固定資産税も当初から年間10万~15万位だと考えると、賃貸より安いね。

修繕費は抜いてもね。

ただ総支払額は3700万円を超えます。

金利が1200万円です。

(現代の1%ローンなら、総支払額は3000万 金利が500万円です。)

それでも低金利時代と言われ、持ち家が得としか考えられない時代でした。

 

いつの時代も民間の賃貸住宅は、

持ち家よりも家賃出費が割高に市場設定されるからです。ほぼ自動的に。

そりゃそうだ、資本主義社会の常ですね。

人の世は、贈与か収奪しかないのだから。

 

そこで、今60歳を迎えている人も多い。

定年が65歳、再雇用で65歳、色々あります。

 

昔と今が異なる点に、

社会保険・年金・税金の肥大化。

賃金の増大による消費の肥大化。教育費の肥大化などがありますね。

 

昭和の時代よりも格段に収奪されるものが多いです。

給料の額面が、昔は500万なら、可処分所得は400万くらいあったのではないかな。

今の給料額面500万では、300万残るかな?

とにかく税金、準税金が高過ぎて(全くどこに消えるのだか)、予定通りには行きません。

もちろん20年以内に全額繰上げ返済などをすれば、できれば住宅ローンから開放され、35年に渡るお金の奴隷的な支配からは抜けられますが。

 

予定通りにいかないという点ですが、

賃金が予定どおり上がらない、

会社の倒産で転職するが賃金下がる、

事業を起こすがうまくいかない、

体調不良、精神的な体長不良、病気、怪我、

子供の学費、その他うんぬん、

まぁ色々金ってかかります。

期待してた退職金が、消えてしまうことさえありますし、

退職金を子供の学費、留学費にあててしまい、

追証の解消に、

内緒で使い続けた銀行系カードローンの無駄遣い総額900万に。

 

完済が70歳予定なら、60歳時点で困る方もいるでしょう。

あと10年どうすんだ・・・。年金少ないし、働くしかない・・・。

 

 

実はそんな方のリースバックの問い合わせが多々あります。

例えばですが(数字は分かり易くするための簡単な設定架空話ですが、)

住宅ローンは70歳完済予定。

住宅ローン残り10年の月額支払額11万

住宅ローンの60歳時点残高が1200万。

現在の自宅市場価値が3000万。

リースバック買取価格が1800万。

リースバック家賃が11万

 

あと10年毎月11万支払えば、住宅ローンが消滅するにも関わらず、

永遠の毎月11万の賃貸料が発生することになります。

もちろん1800-1200=600万の手許現金は残ります。(諸経費で100万は消えますが)

 

自宅売却後の手許現金600万円÷月額家賃の11万

54回賃料を支払ったら消えます。4年です。

自宅の売却代金だけを当てにすると4年で払えなくなります。

 

所有権を手放すというのは、そういうことです。

資産の蓄積に11万を払う(元金部分に限りますが)。

家賃経費に11万を払う。

全く次元の違うものです。

そんなもの分かってるって?

分かってても仕方が無いからリースバックする訳ですよね。

でも、やはり再認識するべきです。

 

実際には、

妻の介護で働くこともままならず、今を切り抜けるために仕方なく、

手形のジャンプなんてできないから月末までに用意しないと全てが終わってしまう、

無年金、無預貯金で、全てが底を突き仕方なく、

預貯金と年金だけではとてもじゃないが今を維持できない。

他人の連帯保証人になってしまったので仕方なく、

なんてケースが多いです。

 

子供達の財産分与のために、死ぬ前に先に現金化、なんて話はまず無いです。

だって、実際の売れる価格の5割、6割で売却してしまう訳だし、

かなり率の悪い家賃を払うハメになるのだから。

もっと効率良い節税はありますしね。

財産が不動産資産だけならまだしも。

 

希に子供がいない独身の方が、嫌いな親族に相続されるくらいなら、

先に現金化して、自分で使ってしまう!

なんてのもあります。

 

なんにせよ、リースバックで一次しのぎができるならば、まだ良いほうで、

これで多額の住宅ローン残債が残っている場合は、大変です。

 

年齢問わず、

家の一般的に売却できる市場価値が2000万円

リースバック買取金額が1200万円

住宅ローンの残債が2600万円

銀行が任意売却に応じてくれる金額1800万円

なんてのもたくさんあります。

 

任意売却屋さんがリースバック、リースバック言いますが、

債権者への騙ましも数多くあるでしょうし、

まあ大変です。

それでもそんな条件でも、リースバックができる時もありますが、

レアケースです。

銀行だって、きちんと回収可能なものは、回収します。

 

テレビ新聞も最近は、本当のことを言わざるを得なくなってきており、

経済状況がどん底な訳で、これがしばらく更に落ちていく訳で、

止むを得ない理由で住宅ローンの支払いが厳しくなったら、

1.銀行に相談に行く(しばらく金利だけにして!)

2.市役所無料相談弁護士さんに相談に行く(意味無く破産させられないように!)

のが先かもしれませんよ。

 

住宅ローンを契約した時期、30年前とは、

自分も社会情勢も全く異なっているのだからね。

それでも人は家を買うし、今日も明日も家が売れる。

否定している訳ではないのだが、

35年で買っていく。家賃より安いから。新しいの欲しいから。夢だから。

 

昨日までろくに仕事もせずふらふら遊んでいたチンピラが突然スーツを着込み、

まともに働いてきた人々に対して、

ろくな知識も常識も無いにも関わらず、家を買わせる営業職がまかりとおる、

不思議な世界、不動産仲介。軍隊式の所は、特にそう。

 

まともな仲介会社ももちろんたくさんありますが、どうしょもないのも多いので(底辺受け皿みたいな不動産会社)、

 

家を買うときから全てがスタートしてるので、重箱の隅はつつきましょう。

本当にこの家を買うことが正解なのか?と。

 

もうすぐ家賃が圧倒的に得な時代がくるかもしれないけどね。

 

話はとびますが、

高給取りのテレビの人が、生活資金難に陥った人を気の毒そうな顔をしながら、

住宅ローン返済やリースバックのレポートしてるのとか見ると、

腹立ちますね。他人事。

 

まあ一部であっても、それで金を稼いでる不動産屋が言うことでは無いか・・・。

 

でも家が高いのでは無い。都会の土地が高過ぎるんだよ。

 

leasebacker