親戚・親類・知人リースバック と任意売却リースバック
不動産投資では最近、大変に問題になった話題があります。
フラット35を悪用し不動産投資 「住む」偽り賃貸用に
https://www.google.com/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASM4S34RJM4SUUPI004.html
個人が住むための住宅は、固定資産税や都市計画税、住宅ローン、購入時の税金など、かなり優遇されています。
個人住宅の住宅ローン金利で、不動産投資が出来たら、通常の不動産投資用のローンと比べれば、
3%近くの開きがありますから、1%の住宅ローンを悪用したくなる気持ちも出てくるでしょう。
昔は銀行からお金を借りて家を買った場合、住宅ローンを実行しても、引っ越し後の住民票の提出を求められない時代もありました。
近年はだいたい住民票の提出は当たり前だったりしますが。
なんらかの事情で住宅ローンが支払えなくなった時に、お金持ちの両親や親戚、友人がいた場合、
お金を借りて一時的に全額返済し、貸してくれた方に所有権を移転して、というリースバックができたら、それはラッキーですね。
協力者の第三者が全額返済の余裕がなくても、代わりに住宅ローンを組んで、第三者との信頼関係の中で、リースバックが可能な場合があります。銀行には嘘つく形には違いないですが。
もちろんこの第三者は、自身が住宅ローンを利用していない場合です。
住民票まで移転することを可能な第三者です。
住宅ローン金利で、リースバックが可能なケーススタディは存在します。
というか、可能でした。
グレーな中で可能な過去がありました。
もちろん過去でも銀行との契約上は違法ですが、きちんと支払っていれば、銀行も煩いこともなく、なんとなく。
今はどうなんでしょう。今となっては大変にグレーですね。というかブラックです。
失業や怪我や他人の連帯保証人になってしまったとか、
寝たきりの老人がいたりして、どうしても転居できない方とかもいますし、
そんな時は親戚・親類・知人リースバックは大切な手段でした。
不意な仕打ちの対策として、大変に有効だったのですが、
見境の無い不動産投資バカの不労所得野郎達のせいで、
窮余の技が使えなくなってしまった感があります。
また実は住宅ローンは2つ組めるのは、昔から一部には普通に知られていたことであり、テクニックとしてもありました。
厳密にいえば、買い換えのため、一つは売出中であります。
先に購入して引っ越しまでしたが、今までのものを売り出しているのだけど、なかなか売れない。
仕方がないから賃貸に出して貸しますと。
住宅ローン金利で不動産投資が成立。
仕方がないからしょうがない。
返済も全く滞りなく、銀行も黙認。
脱線しました。
なんにせよ、営利なリースバック会社より、親類に手助けしてくれる方がいれば、
深い信頼関係があるならば、
遠慮しないで助けてもらった方が良いです。
ただし、銀行やリースバック会社の事業としての金儲けの金ではなく、
親類の命の金ですから、絶対に返さないといけないですね。
■任意売却リースバック
無剰余(残債が売れる価格を上回る)な状態で任意売却して、リースバックが 、「で・き・る!」「大切な自宅を守ります!」というホームページ広告が散見されますが、
たいていは債権者の金融機関を騙すやり方が多いです。
どのような意味かと言えば、
不動産会社が2000万の査定を金融機関に出して、売り出しを了承してもらい(その金額で売れるなら残債が2500ありますが、現在の適正価格でしょうから仕方ないですね!の解釈)、任意売却をスタートしたとします。
不動産市場に普通に売り出しますが借金苦で売りに出すのだから、近隣に内緒で売りたいから、目立った売却はしない。
というか売れては困るので、必死に売らない。
3ヶ月、半年、一年経過。
金融機関には、売れない、売れない、あらゆる報告。
当初2000万の売り出しでしたが、全く売れないので、今は金融機関に了承を得て1600万での売り出しです。
そこで1400万で買ってくれる不動産会社が出ました!
しぶしぶ金融機関が、納得。3ヶ月前に1200万で買ってくれる不動産会社が現れた時は、却下されたけど。
無担保債権は1100万円残りますが、任意売却成立。
しかしここで、ウルトラC。
買った不動産会社はリースバックもやってました笑。
金融機関は、
「次はどちらに引っ越されるのですか?」
「支払いは、どのような予定ですか?」
たいていは決済の場で売主に聞いてきます。
「親類のとこに一度身を寄せる予定ですが、荷物のこともあり、買主の不動産会社には、一週間の引き渡し猶予(残金決済、所有権移転後も一週間出ていかなくて良い、当然その場では鍵の引き渡しは無い)をもらってますので、
至急転居先を決めて、また連絡します」
「支払いは、弁護士さんにお願いする予定です(破産)」
と答えます。
金融機関は、特にここでは何も言わないでしょう。今日は抵当権抹消書類を持参するのと、調書を取るのが目的です。
その後、
「買った不動産会社が賃貸で貸してくれることになったので、しばらく引っ越しせずに、二年間このまま暮らします。家賃は近隣相場の9万円です。」
と金融機関に報告。
二年後、また貸してくれることになった報告。また二年後、繰り返し。
任意売却不動産会社と売主のWin-Win。
これが、
任意売却リースバック成功!
だとか。
昔はこれが、かなり杜撰にまかり通ってました。今よりもはるかに銀行経営は体力ありましたしね。
つい10年くらい前まで。
任意売却の流れを更に遡れば、
任意売却をしたいと、売主と不動産会社が媒介契約書を持参して金融機関に行く。
任意売却許可をもらう。
当初任意売却不動産会社は、金融機関に売り出し開始の報告のレインズ(不動産会社間の売り出し物件登録の場)登録書を金融機関にファックスして、即レインズからは落とします。
売出情報はこの世から消えます。
売れる訳ないですね。
そして架空の売れない既成事実が積み上がり、任意売却成功。
そして、
このケースだと任意売却後、無担保債権になった1100万の残債に関しては、例えば毎月1万円の支払いで済んだりします。払える限界だから。
そして一定期間、例えば返済意志の1万円を支払い続けると、金融機関(住宅ローンを借りた金融機関はサービサーに債権を格安で売りますので、債権譲渡されたサービサー)から、
残りの1060万、300万で手を打ちませんか?などと持ちかけられ、場合によっては100万かも、50万かもしれませんが、
親から借りて、借金帳消し!という時代がありました。
しかし、今はなかなかそういうのはありません。
よって、たいていは弁護士さんの所に行き、破産手続きに入ります。
金融機関だってウスウスわかってます。
金融機関が黙ってくれているのは、ラッキーだと思って下さい。
金融機関、所詮彼らはサラリーマンだから、自分の腹を痛める訳じゃないし、彼らは仕事が滞りなく進めば良いのです!なんて説明をしてる不動産会社もありますね。
低廉売買の詐害行為に該当する可能性があります。
特に任意売却で、リースバックは、そのリスクがあります。
金融機関が一斉に調査することはないと思いますが。
今のところ。
杜撰な任意売却不動産会社には、ご注意を。
leasebacker