不動産査定 土地ではなく建物の価値について。
日本の不動産市場において、建物の価値は何か法律が強烈に関係している訳ではないのですが、古い建物には銀行が価値を見いだしてくれないという点で、なかなか難しいものがあります。
減価償却の耐用年数を加味したもので、似たような考え方で、
家の価値を案分しています。
木造家屋建物は、税法上は22年の耐用年数です。
不動産会社は、適当に22年~25年くらいで案分したりします。査定において。杜撰な査定もたくさんあります。
不動産会社の方も、それらしき査定書を一生懸命つくりますが、実際には売り出してみてナンボな世界です。
複数不動産業者に査定を頼めば、三社三様の査定書がでてきます。
近隣の売れた事例から、つくりあげるはずで、そんなに大差はないとおもいますが。通常は。
あんまりすぐ売れてしまうと、それはそれで、安すぎたのでは?と疑いもかかります。
話を戻しまして、
日本は地震国だから、建物は評価できない、とか、
昔は建築確認だけで良く、検査済証がなかったから、とか、
増改築の建築確認が無いから、とか、
旧耐震基準だから、とか、
ろくな基礎じゃないから、とか、
地盤調査なんてやってないから傾いてるとか、
建物価値を悪く言う口実はたくさんありますし、実際にそうだったりします。
311の地震で倒れなかった建物も、耐震診断をすると、倒壊の恐れあり、の認定にもなりがちです。
ここ最近の基準ですと、検査済証まできちんと取得しますが、中身まではわかりません。
一戸建てではないですが、最近問題になったサブリースのアパートを見れば、
合法でなくても、書類は出てますもの。
欧米のように、色々メンテナンスして、価値が上がるという概念には程遠い現状があります。
住宅メーカーの中古が人気なのも、比較的信頼感があるという点かもしれません。
今後は家を売るときは、インスペクション(建物の調査書)がメジャーになることで、古い建物にも価値を見いだす時代が来ると思います。
昭和から人口増加で、大量生産、大量消費が行われてきたからこそ、建売住宅の需要があった訳ですが、
今や出生率を見ても分かる通り、家なんて余ってるのです。
新築建売住宅や新築マンションの仕事に従事している方々もたくさんいる訳ですが、
仕事量は減ってきます。
畑の中のアパートも限界まで来ているでしょうし、都内でも限界がもうすぐだと予想されています。
エコ云々の前に、新築が建てば建つほど、ストロー効果で古い建物が陳腐化して、安さが加速します。
都心に、駅前に、タワーマンションが建ち、ストロー効果で駅徒歩15分、10分が、値下が下がってしまうのに似てますね。
とにかく、無計画な都市計画で、人口密度、建物の量の密度の総量に規制をかけるどころか、どんどん緩和しているのは、恐ろしく思います。
金融の世界の総量規制の緩和を続けているのと同じような感覚です。
とは言うものの、リフォーム履歴などが生きてくる時代もあると思いますので、
リフォーム履歴や内容、領収書、などは明確に残すべきです。小さなものでも。
法務局には、一件ずつの権利関係が登記されてますが、
同様なプラットホームで、
これにブロックチェーン技術で、
固定資産評価額やリフォーム内容、境界査定履歴、境界問題履歴、コンクリート壁履歴、地盤改良や問題履歴、災害記録、水道管破裂記録、雨漏り、シロアリ記録、賃貸記録、家賃の記録、空室期間履歴、大島てる履歴などなど、
分散台帳化して、すべての履歴が残る時代が近いかもしれません。
情報保存がコンピューターで完全にできる時代だからです。
嘘がつけない時代がくるかもかね。
その段階まで来て、日本では初めて建物価値が本当に重要になる気がします。
今の不動産業界の査定は、
165400円/平米 × 床面積=新築時価格
新築時価格×経過年数=現在建物価値
なんです。
下手をするとね。
坪30万の家でも、
120万の家でも。
外構、地下車庫、植栽、外壁タイル貼り、リフォーム、太陽光設置、
そんなものは査定に加味されません。
資本的支出概念は無しです。
当分は変わらないと思います。
既得権益者、強し。
変だと思います、私は。
平たい文面で失礼致します。
leasebacker